真冬のいちばん熱い日ははるか、春らんまん花ざかり、陽射しあふれる季節となりました。 たいへん、長らくお待たせいたしました。ときめきレビュー大賞の結果発表でございます。 乙女の熱き恋ゴコロ、ありったけがこめられた作品の数々、まことにありがとうございました。 寒いからこそ、心はよりそい、恋燃え上がる季節の『冬』。 ダイナスティアの地は、今、その、『冬』に向かっております。 乙女のみなさま、奇跡の大地で、ロマンチックな恋をお楽しみくださいませ! ※大賞作品は、新アイテムとして投入されます!メタモリングルートは近日投入予定です。 楽しみにお待ちくださいませ 。 ※ショコラコートのメタモリングルートは5/18に投入済みです!がんばってみつけてみてくださいね!
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「あの人にあげたい・もらいたい、あなたのときめきアイテムは?」部門
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◆◆◆乙女のときめき大賞◆◆◆
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聖乙女 リシェルレイシア フォンティール さま
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リボンタイコート(チョコレート) アイテム名:ショコラコート
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シンプルなAラインワンピースタイプのコート。 襟の中央でサテンのリボンタイを結びます。 チョコレート色のコートに生成り色のリボン。
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「海のロッド」と新アイテム「ショコラコート」をプレゼント!
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2月14日、 お忍びでご城下にいらっしゃるプリステラ姫を走って追いかけてプレゼントします。 「姫様、外は寒いです。どうかコレをお召し下さい。」 聖乙女からの思わぬプレゼントに姫は 「あら、ありがとう。気がきくわね。」 そうにこやかにおっしゃってコートを広げてご覧になります。 が… 「シンプルでとてもステキね。 でも…私が着るには少し地味じゃないかしら?」 とおっしゃります。 私は内心(お忍びでご城下にいらっしゃるのに 地味も何も…^^;)とは思うのですが、 こう申し上げます。 「今日は私たちの世界ではバレンタインデーと 言って大切な人に日ごろの感謝の気持ちを込めて 贈り物をする日なのです。 その代表とされるものがチョコレートなので 姫様がご城下にいらっしゃる時 寒くないようにとこの色のコートを選びました。」 するとイベントやお祭り事が大好きな姫は 「まぁそうだったのね、ありがとうとても素敵な日ね。」 とにっこり笑ってコートをお召しになって下さいます。 姫がコートをお召しになって下さったのを確認したら お忙しい姫のご公務のお邪魔にならない様早々に退出します。 「それでは姫様、ご公務頑張って下さい。」と私が申し上げると 「とても温かい贈り物をありがとう。貴方もがんばってね。」と仰って下さいます。 そんな姫のお召しになっているコートのポケットには可愛らしく包装された チョコレートが入っているのですが、お部屋に帰ってコートをお脱ぎになるまで その事にはお気づきにならないのはお約束だったりします。 オチもついた所で終了です(笑
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【受賞のお言葉】 今回は乙女のときめき大賞に選んで頂きありがとうございました。 数多く寄せられたであろう愛溢れるレビューの中から選ばれた事に私なんかの作品で良かったのかしら?と ちょっと恐縮いたしてたりします。 実は…お知らせメールを最初見た時、きっと参加賞だろうなと思い込んでおりました^^; そして更に言うなら…乙女のときめき大賞と書いてあったのを見ても簡単に言うと2位3位くらいの賞だと 勘違いをしておりました(苦笑 私が事の大変さに気付くのには少し時間がかかったのです。 「あれ?副賞の数がやけに多いなぁ…。あれ?アイテム化されるのって確か…大賞? あれ??た…大賞って賞の最後に付いてるじゃん!!」 ……天然ボケですみません…(ノД`) 副賞で頂いたショコラールとコーヒーは家族みんなで美味しく頂きました。 あの組み合わせは絶妙と言うか反則的な美味さです!まるで最初からセットで食すために有るようでした。 実は私、コーヒーが苦手なので皆より少なめにしたのですが今回初めてコーヒーを 「もっと飲みたい!」と思いました。 (生まれて初めてコーヒーを美味しいと思いました〜(*´◇`*)) 私の味覚の域を広げる機会を下さったパティスリー稲垣様、パオコーヒー様に感謝です。 そしてブレスレットはピンクとブラックの色の組み合わせは甘すぎずマグネット式の着脱も楽なので 気に入ってほぼ毎日つけてます。 光の反射によってはマグネットビーズの部分がこげ茶色にも見えるのでショコラコートとお揃いにも見えて こっそり姫とペア気分です(笑 櫻井高見地下雑貨店様すてきなブレスレットをありがとうございました。 こんな私に大賞受賞の機会を与えて下さったシークレットガーデン様、本当にありがとうございました。
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【乙女のときめき大賞】 副賞:海のロッド & 乙女のときめきセット ショコラール5個セット 【ご提供:パティスリー稲垣さま】 ブルマンブレンド200g 【ご提供:パオコーヒーさま】 マグネットブレスレット 【ご提供:櫻井高見地下雑貨店さま】 |
口にいれたとたん、身も心もとろけそうなシェフの情熱たっぷりの感動スウィーツ・ショコラール! コーヒーの純粋にして高貴な美味しさがたっぷり引き出されたブルマンブレンド。 乙女らしさを引き立てる、プチパールとブラックマグネットビーズのシンプル&シックなブレス、 のセットをプレゼント! |
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聖乙女 ジンドウ マサコ さま
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幻想クロス
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愛の女神が作ったものです。 相手に対する思いが強ければ強いほど光り輝き、二人の愛を強く硬く結び幸せへと導いてくれる^^
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豊穣のロッドをプレゼント!
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彼・・・オルフェ様 私・・・自分(すいません><)
時刻は夕方。 彼を静かな海岸に呼び出す。 「どうしてもあなたに渡したいものがあるの」と。 彼は来る、少し息を切らしながら。 私のためにいそいでくれたのかなと、高まる気持ち。 彼は聞く、「俺に渡したいものって何」 私はなかなか言い出せない。心は熱く、強く、鳴っている。 相手に聞こえてしまいそうなくらい高く鳴っている。 手に持っているクロスが熱くなる。早く思いをとせかすように。 彼は静にまってくれている。何も言わず、じっと見つめて。 私は勇気を出して、彼へ思いを伝える。 「ずっとあなたを見てました。あなたの心を知るたびに もっと近づきたい、そばにいたいと思いました。 あなたのそばにいると、幸せな気持ちになれます。 ・・・・・あなたが・・・・・好きです・・・・・愛しています。 これ受け取ってください。」 私はクロスを渡す。半分光っているクロス。 彼はそっと手を出し、クロスをつかむ。 クロスは輝きを放ち、二人をつつむ。 彼は私をぎゅっとだきよせ、 「俺も好きだよ。君を愛してる もう離さない、ずっと君のそばに・・・・・」 私は泣いてしまった。幸せすぎて。 泣くなよとそっと涙をぬぐう彼。 笑う二人を、クロスが愛の光で、やさしくつつんで 二人の新しい道を照らし出す。
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【受賞のお言葉】 今回こんな賞がいただけるなんて、思いませんでした。 2つとも入らないだろうと思っていたのに、2つとも賞がとれるなんて驚きました。 それにアイテム部門ではロッドだけでなく、副賞までいただいて、とても嬉しかったです^^ 選んでくださった方々、本当にありがとうございました^^!
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【乙女のエターナルラブ賞(熱烈ときめき賞)】
副賞:豊穣のロッド & 生クリーム大福15個入りセット 【ご提供: 角屋菓子舗さま】 ※熊切店長さまからときめき盛りだくさんのプレゼント! フルーツの自然なおいしさ!デリシャス餡と極上クリームを、 しっとりお餅で包み込んだ新感覚和菓子、生クリーム大福! 店主さま厳選の15種類ラインナップをご賞味ください!
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◆◆◆乙女のミラクルアートチョコ賞◆◆◆
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聖乙女 メルヴェーユ さま
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グラスボトルの中に入れられた、チョコでできた美しい海賊船の模型
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彼の心を射止めるために作られた、世界中のどこへ行っても手に入らない、 まさに唯一無二の、愛が込められたアイテムです。
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恋のロッドをプレゼント!
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今年のバレンタインは、カサブランカ様にチョコをお渡ししたいけれど…… 彼は大人の男性だから、あまり甘いものは好きではないかもしれない。 それに彼は海運豪商だから、その辺にあるようなありきたりのものでは きっとつまらないのではないかと思うの。 だから、世界中のどこにもないようなもので、 昔船乗りだった彼が喜びそうなチョコを贈りたい!!! …そんなことを考えながら、メタモロッドを握って一心に祈っていると… ジャーーーン!! ………なんと!!アイテムが出来てしまったみたい!?! それは… チョコはチョコでも食べる用ではなく… 鑑賞用の… 「グラスボトルの中に入れられた、チョコでできた美しい海賊船の模型」!! …でした★☆ ………このチョコなら、カサブランカ様のお眼鏡にかなうかもしれない…。 でも、トレイに何も入れてないのに、一体どうやって出来たのかしら…? ――――そして、バレンタイン当日。 カサブランカ様がデートのお誘いにいらっしゃったわ。 …え? 今夜はどうやら豪華客船のディナークルージングに連れていっていただけるみたい! めいっぱいおしゃれしておいてよかった… ――そして二人でクルージングに行き… …きらびやかで落ち着いたムードが漂う中、ディナーを終え、 ついにプレゼントを渡す時がやってきました!! 「お嬢さん、料理はお口にあいましたか?」 「はい…とてもおいしかったです。あの…カサブランカ様?」 「なんですか?」 「あの、今日はバレンタインなのですが………、 これを…受け取っていただけますか?」 と言って例のアイテムを差し出します。 「これは……」 カサブランカ様は少し驚いた様子で、 しばらくの間プレゼントをじっと見つめています。 「…私は、世界中の品物という品物を山ほど見てきたが… こんな素晴らしい逸品は今までみたことがない。 お嬢さん、一体どこでこの品物を…?」 「それは…お教えできませんわ。秘密です。」 (だって私が勝手に祈りまくってメタモで作ってしまった、 唯一無二のアイテムですから。(笑)) 「ははははは。聖乙女のお嬢さんにはかないませんな。」 「こんなに素敵な贈り物を、本当にありがとう。自室に大事に飾らせていただくよ。」 「はい……」 (気に入ってもらえてよかった…!!) 「しかし、こんなに素晴らしいものを頂いてしまって…… お返しは何がよろしいかな?」 「お返しだなんて…今日だってこんなによくしていただいたのに、とんでもないです。」 「謙虚になりなさるな。まぁ何がいいかちょっと考えておいて下さい。 近々お誘いしたときにお聞きすることにしよう。それでよろしいかな?お嬢さん」 「はい……」 (やったぁ!!)
―――…といった感じのやりとりを、カサブランカ様としたいです。 何気に次のデートの約束も、ちゃっかりしてしまいました。(笑) ちなみに、アイテムのメタモルートは、 素材→カサブランカ様への愛、時間→ずっと、方法→捧げる、だと思われます。(爆) かなり暴走した駄文で失礼いたしましたm(_ _)m
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【乙女のミラクルアートチョコ賞】
副賞:恋のロッド & ブルマンブレンド200g 【ご提供: パオコーヒーさま】 ※小田金店長さまから幸せいっぱいのプレゼント! コーヒーの純粋にして高貴な美味しさがたっぷり引き出されたブルマンブレンド。 淹れて幸せ、いただいて幸せ、ごちそうすればさらに幸せ! 丹精こめた極楽コーヒーをお楽しみください!
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◆◆◆彼はデンジャラスビューティー賞◆◆◆
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聖乙女 いずみ みさき さま
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危険な香りのドラキュラ伯爵セット
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黒の燕尾服のセットと黒いロングマントに牙一対 あと、仮面舞踏会用のマスク(目のところを隠すタイプ)。
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恋のロッドをプレゼント!
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聖乙女は乙女寮から大聖堂に続く道を歩いていた。 手に大きな箱を抱えているので、自然と歩調はゆっくりだ。 この時間なら、彼は大聖堂の前の小さな公園にいるはずだ。 今までも幾度かそこで会って話すようになり、親しくなった。 彼に会うのはいつも緊張する。 なぜならデザイナーという職業上、 彼ほど審美眼に厳しい人もなかなかいないと思うからだ。 その為に、服装には人一倍気を付けたつもりだ。 やがて夕暮れの木漏れ日の中、彼の青い髪が見えてきた。 ルーさま・・・・ 心の中でこっそり呼んでいる愛称を胸の中でつぶやく。 (注意:お笑いのルー○柴を想像しないように) 乙女は小さな深呼吸をすると、やわらかく呼びかけた。 「ルーセントさま」 「あなたも散歩ですか、気持ちのよい夕暮れですね」 トランスルーセントは涼やかな微笑を浮かべた。 でも、その顔に少し疲れが見える。 「お疲れですか?」 「えっ?いえ、そんなことはありません。好きなことをしているのですから」 自分に厳しいルーセントはきっぱりと誇りに満ちた口調で言い切る。 「今度国王陛下主催の仮面舞踏会があるとうかがいました。 だからお忙しいんでしょう?」 「ええ、たくさんのドレスのご注文をいただいております」 それから思い出したように付け加える。 「そういえば、聖乙女様方もご出席されるのですね?」 「はい。王宮の舞踏会なんて楽しみです」 「私も聖乙女様方のドレスを楽しみにしてます。 みなさん斬新ですから私も勉強になります」 ルーセントはどこまでも仕事にまじめだ。 舞踏会といってもドレスのことしか頭にはないらしい。 (もちろん自分が着ることを想像してではない) 「ルーセントさまはご自分の衣装はお決まりになりました?」 「私ですか?あまり考えている時間はありませんね」 ほろ苦い苦笑を浮かべる。 でも、聖乙女は心の中でよ〜し!と拳を振り上げた。 「では、もしお嫌でなかったらこれを着ていただけませんか?」 隠すように持っていた箱を差し出す。 「これを私に?」 「はい。どうぞご覧になってください」 ルーセントは簡易に包装された箱を開ける。 (ほんとは華美にしたかったが、ダイナに環境破壊を持ち込むことはよくないからだ) 「これは・・・異世界の洋服ですか?」 ルーセントはシルクの素材の黒い洋服を広げた。 「はい。燕尾服という男性の正装です。で、こちらがロングマント」 「これは?」 小さな布袋には装飾品だろうか、象牙の牙のようなものが一対あった。 「それは、牙です」 「牙?」 「仮面舞踏会でしょ。 ドラキュラ伯爵には牙は欠かせませんもの」 「ドラキュラ伯爵?」 「はい。私たちの世界ではとても有名な方です(笑)」 聖乙女は無邪気ににっこりと微笑んだ。 「きっと、ルーセント様にお似合いになります。 お気にめしていただけまして?」 聖乙女の世界では男性はみな牙を生やしているのだろうか? 疑問に思ったものの、ルーセントはそれ以上きくことはなぜかためらわれた。 女神の使わされた乙女にしつこく聞くのは失礼にあたると思ったのだ。 「ええ、とても気に入りました。これを着用させていただくつもりです」 「よかった」 聖乙女の頭にドラキュラに仮装したトランスルーセントの姿が浮かぶ。 きっと冴えた冷たい美貌にさぞや似合うことだろう。 いつの間にか夕暮れの残光は消え、あたりには夜の帳がおりていた。 「もうすっかり暗くなりました。寮までお送りしましょう」 ルーセントに促され、聖乙女は思わぬ満天の星空の下での 束の間のデートを楽しんだ。 寮の前で、別れの挨拶を口にしようとしたルーセントがふと目を奪われる。 それは、乙女の洋服の胸に輝く紫のロサのコサージュだった。 (まだダイナにはないけれど、深く考えてはいけません) 「レディ・アメジスト・・・・お好きですか?」 「なんとなく・・・だって、ルーセントさまの瞳の色でしょう」 聖乙女はうつむき加減に恥じらいながらこたえた。 そのとき、ルーセントの顔に普段見られない鮮やかな微笑が浮かぶ。 「では、舞踏会に間に合うように、 あなたのそのコサージュに似合うドレスを贈りしましょう」 「えっ?」 「そのときは、私に一番最初のダンスの栄誉をお与えください」 ルーセントは優雅に一礼すると歩き去る。 後にはその背をいつまでも見送る乙女が残された。
舞踏会の夜、聖乙女とドラキュラ伯爵がダンスを踊ったかどうかは、 また別の夜に語るべき物語である。
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【受賞のおことば】 「彼はデンジャラスビューティー賞」をいただき嬉しかったです。 私のつたない文章からあんなステキな名前の賞をいただき「おお!」と、まず最初のびっくり。 さらに!!! お話にあわせて挿絵までいただき、もう幸せすぎて心臓とまりそうでした。 大好きなルーセントさまの麗しいお姿に、ほんとに感涙ものでした。 何度も絵を眺めては、一人でにまにましてます。 私のささやかな物語にすてきな絵、大げさではなく一生の宝物となりました
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【彼はデンジャラスビューティー賞】
副賞:恋のロッド & ブルマンブレンド200g 【ご提供: パオコーヒーさま】 ※小田金店長さまから幸せいっぱいのプレゼント! コーヒーの純粋にして高貴な美味しさがたっぷり引き出されたブルマンブレンド。 淹れて幸せ、いただいて幸せ、ごちそうすればさらに幸せ! 丹精こめた極楽コーヒーをお楽しみください!
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◆◆◆乙女のときめき闘魂賞◆◆◆
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聖乙女 咲良 桔梗 さま
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フレイル乙女の道着
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その名のとおり聖乙女がフレイルで武芸の修行に励むときに着る道着です。 袖なしの上着・筒袖の腰までの着物・ひざ上丈のスパッツ・鉢巻・帯・つま先とすねに プロテクターの入った細身のブーツのセットで、シンプルながらも聖乙女の着る物らしく、 鉢巻と帯にはあまり目立ちませんが細かな刺繍が施されています。
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恋のロッドをプレゼント!
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それはあと四半時もすれば日付が変わろうかという頃でした。 お友達へのお手紙をしたためようと書き物机に向かった途端、 トントントン 部屋の扉がノックされました。 「誰かが来たみたいだよ。」 お手伝い好きの妖精が、私の耳元で囁きます。 「そうみたいね。ありがとう咲耶姫。」 妖精にお礼を言って、私はドアを開けるために席を立ちました。 扉を開けると、そこには風呂敷包みを抱えたバットさんが立っていました。 「せ、聖乙女 咲良桔梗様。こ、こんな遅くに申し訳ござらぬ。 どうしてもお渡ししたいものがありました故。」 大きな身体を縮めるようにして、 あたりをキョロキョロ気にしていらっしゃる様がおかしくてたまりません。 おそらく左右に並ぶドアから他の聖乙女様が出てこられるのではないかと気にして いらっしゃるのでしょう。 「いえ、いらしてくださってうれしいですわ。どうぞ、お部屋にお入りくださいませ。」 返ってくる言葉は解っているのですが、私は一応こう申します。 すると案の定バットさんは、 「いえ、とんでもござらぬ。聖なる乙女様のお部屋にお邪魔するなど・・・。」 といつもの台詞をお返しになりました。 「今日はこれをお渡しできればと・・・。 いや、咲良様が明日いらしてくださった時でも良いとは思ったのですが・・・。 しかし思い立ちましたら一刻も早くお顔を拝見したいと・・・。 いやいや、あー、拙者は一体何を申して・・・。」 たちまちお顔を真っ赤にされて、しどろもどろにこうおっしゃると、 「と、とにかくこれを。」 と、手に持った風呂敷包みを私に差し出されました。 「私に?まぁ何かしら。」 お部屋前の廊下にはテーブルも何もありません。 しかたなく私は左腕に風呂敷包みをのせ、 右手だけでその結び目を解きました。 「まぁ、これは・・・。」 そこから出てきたのは一揃いの道着でした。 基本的なデザインは・・・ そう、セッカさんが日頃身につけていらっしゃるものと そう変わらないでしょうか。 下衣の色は薄紅。上はこれまた薄紅の筒袖の着物の上に、 藍の袖なしの上着を重ねるようになっています。 一見シンプルですが、一緒に揃えられた薄紅の鉢巻や帯には目立たぬよう 布と同じ色の糸で細かな刺繍が施されており、かなり手の込んだものと解ります。 「これは、バット様が?」 「はい。咲良様が先日よりギンガへ修行に通われていると聞き及びまして。」 実はそうなのです。 一月ほど前、王宮にお伺いした際にセルチェさんに乞われ手合わせを致しました ところ、それがすっかり楽しくなってしまい、以来毎日のようにセルチェさんのところ に伺っては汗を流しておりました。 が、ついにそれでは飽き足らず、チョウゲンボウ大師に無理をお願いして 特別に通いで修行をさせていただくようになったのです。 大師のお許しをいただけて修行を始めたのが3日前。 確かその夜セルチェさんにお話したはずですから、 バットさんが翌日聞いたとしてもわずか2日でこれを仕上げたことになります。 「ありがとうございます。セルチェさんからお聞きになられましたのね。」 「はい。妹から、咲良様が修行には今のお召し物では少々動きづらいと おっしゃっていると聞きまして。」 毎日ロビン様のお供でお忙しいのに、 私が困っていると聞いてすぐに動きやすい道着を作ってくださった・・・。 薄紅と藍・・・おそらく私の名前からイメージして布を選んでくださったのでしょう。 そのバットさんの優しさに、私は思わず涙ぐんでしまいました。 「い、いかがなされましたか。咲良様。」 私の突然の涙に、バットさんはおろおろとされています。 「いえ。申し訳ありません。バット様のお気持ちがうれしくて、つい。」 私がそう言うと、バットさんのお顔はまた真っ赤になってしまいました。 「し、しかし拙者少々不思議に思っていたのでござるが、 キンケイにも多くの道場があるにもかかわらず、 何故にギンガで修行をとお考えになられたのでございましょうか?」 真っ赤になった顔を半ば隠すように、 バットさんはあらぬ方向を向きながらこうおっしゃいます。 「それはですね・・・。」 私は浮かんだ涙を袖でぬぐうと、バットさんを見つめてこう申しました。 「愛しいお方のことを少しでも解りたいと思ったからですわ。 こういう気持ちを私が以前いた世界では“乙女心”と申しますのよ。」 バットさんは一瞬大きく見開いた目で私の顔を見つめると、 「せ、拙者そろそろ休まねばなりません。 あ、明日も若のお供をせねばなりませぬ故。 そ、それでは、これにて御免。」 こう言い終わるか終わらないかのうちに、この場から姿を消されてしまいました。 「あーあ、帰っちゃった。聖乙女からここまで言われているのにねぇ。」 私の肩元で、妖精の咲耶姫があきれたようにこう言います。 「こら、咲耶姫。そんな事を言うものじゃありません。」 私はちょっとだけ妖精を叱って見せます。 「ああいう方だから、私は想いを寄せずにはいられないのよ。そうね、でも・・・。」 咲耶姫が「ん?」というような風情で私の顔を覗き込みます。 「手くらい握っちゃえば良かったかしらね?」 くすくす。 咲耶姫がいたずらっこのような顔で笑います。 つられて私も、くすくすくす。 こうして私達は顔を見合わせ笑いながら、部屋の中へ戻ったのでした。
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【受賞のお言葉】 この度は第3回ときめきレビュー大賞アイテム部門にて「乙女のときめき闘魂賞」をいただき、誠にありがとうございました。 文章を書くのが苦手な私がこれだけの長さの文を書き上げられたのは、ひとえに日頃からこんな危ない妄想を 繰り返しているからです(苦笑) 恥ずかしさもかなりのものでしたが、受賞させていただいた上、ショップ様の副賞までいただけて、思い切って 応募してよかったとしみじみ感じております。 そしてなんといっても添えられた挿絵に感動いたしました。 お忙しい中にもかかわらず、私の駄文にあんな素敵な絵を添えていただき、本当にありがとうございます。 このイラストは私の大事な大事な宝物です。 こういう細やかで暖かい心遣いに触れるたび、ますますダイナスティアのファンになっていく私です。 これからもよろしくお願いいたします。!!
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【乙女のときめき闘魂賞】
副賞:恋のロッド & ブルマンブレンド200g 【ご提供: パオコーヒーさま】 ※小田金店長さまから幸せいっぱいのプレゼント! コーヒーの純粋にして高貴な美味しさがたっぷり引き出されたブルマンブレンド。 淹れて幸せ、いただいて幸せ、ごちそうすればさらに幸せ! 丹精こめた極楽コーヒーをお楽しみください!
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◆◆◆乙女のスペーストラベル賞◆◆◆
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聖乙女 サクノ ローラン さま
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“夢”のウチュウ船
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ロケット型の潜水艦。丸い窓をしている。 リモコンで方向や速さを操作できる。 …しかしこの船、水中をもぐらないのだが…
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恋のロッドをプレゼント!
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聖アズール研究院わきの池…もといロマンあふれる湖にて。 聖バレンタインデーの日の夕方、聖乙女サクノは授業を終えたラリマー殿下を ここに呼び寄せた。 「お疲れの中失礼しますラリマー様。これを貰って頂きたいのです。 潜水艦、名づけて “夢”のウチュウ船 です!!」 「!これはまた…!素晴らしいですね。ありがとうございます。 …しかし本当に頂いても宜しいのでしょうか?」 「もちろんです!…ラリマー様に水中散歩をしてリラックスして頂けたらなあと思って 作ったんですから」 星の観察が大好きなラリマー殿下。できれば空飛ぶ船でも作りたかったのが… サクノの頭ではまだまだ作れない。空の旅が駄目なら水の旅を〜と思ったのだ。 ふとサクノは後ろをみた。 草葉の陰にいたコランダム教授とフローライトたちがいたからだ。 …案の定彼らはギクッとしたが(教授だけは余計な事を言わないようにフローライト が口を塞いでいた)、“夢”のウチュウ船作りを手伝ってくれた彼らなので、サクノは しぶしぶ見なかったことにした。 さて、「試運転」のためラリマー殿下と乗船することになったサクノ。 もちろん“二人乗り”だ。邪魔者はいない。 船の中も絶えず褒めてくれたラリマー殿下に、サクノはとても上機嫌だった。 「この船は、リモコン操作なんです。方向も速さも…おまかせボタンを押すと、 自動で運転したりもするんですよ」 二人を乗せた“夢”のウチュウ船は、池…もといロマンあふれる湖をゆっくりと 波音をたてて走り始めた。順調な走りを見せる船。 目をきらきらさせるラリマー殿下。 そんな彼を嬉しく思う聖乙女サクノ。 とりあえず一周したあと、サクノはいよいよ「水深潜るよボタン」を押すことにした。
ぽち。 …。 ………。 …………………。 「…あれ?」 …動かない。 いや、動いてはいるのだが、水中に潜っていかないのだ。 水面の上を軽々と走っている。 「…どうしたのでしょうか。…気のせいかスピードが上っているような…」 ラリマー殿下の困惑した声が聞こえる。 ただでさえ、小さな池…いやいやいやロマンあふれる湖なのだ。 船はさっきからぐるぐる回っている。 二人はしだいに気持ちが悪くなってきた。 “こ、このリモコンを作ったのはあの天災…!” 猛スピードとなった船がついに、湖岸を乗り越え大空へと飛び立った…!!
「教授のおばかあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」 (暗闇)
“サクノさん…サクノさん” “…ラリマー殿下…?” ふとサクノは目を開けた。どうやら気絶していたらしい。 「大丈夫ですか、サクノさん」 「はい…大丈夫です。ラリマー様は?」 「お気遣いありがとうございます。大丈夫ですよ。 それよりサクノさん、窓を見てください!!」 「え…?」 ラリマー殿下の嬉しそうな声。 そう、窓一面に星がまたたいていたのだ! そっと窓の下を見ている。 ちらほらと灯りを伴った家々がみえた。 「空の…上…?」 “夢”のウチュウ船は星空を旅していた。
そのころ地上では―――― 「二人とも大丈夫かなあ…」 フローライトが心配そうに“目の前”の船を眺めていた。 「フ…私の発明に失敗の文字はなーい!がーーーはっはっは!!」 教授がばか笑いをしていた――――
流れ星がそっと流れる。 「綺麗な星空ですね、サクノさん…」 「はい。手が届きそう…」 サクノたちはじっと窓を覗く。 ――――空飛ぶ船など作れないと思っていた。 けれど、今こうやって二人は星空の中にいる。 帰ったら教授やフローライト君たちにお礼を言おう。でも今だけは―――― サクノはそっと目を閉じた。 “ありがとう”とラリマー殿下がささやいた。
“夢”のウチュウ船。 潜水艦だとサクノは思っているが、 実はコランダム教授がこっそりリモコンを改造していたのであった。 普通の船として走行可能だが、「水深潜るよボタン」を押すとバーチャル空間が現れる。 “星空の仮想空間”だ。 船の動きもまたリアルに動くので、本当の星空を旅しているような気分を味わえる。 ――――サクノが空飛ぶ船を作りたいと思っていることを知ったコランダム教授の ささやかなプレゼントだった。 「まあ、始まるにはぐるぐる回るところからってのが難点だけどね」 は、フローライト談。 「しかし、そろそろ終わるはずなんだが…出てこんな」 教授が首をかしげた。 「ええ??…何かあったのでしょうか?」 心配なフローライトをよそに、教授はごそごそと何かを取り出した。望遠鏡だ。 「ふむ…これこそまさに“夢”のウチュウ船だな!がーーーーはっはっは!!」 またもや教授がばか笑いをしている。フローライトは教授から望遠鏡を奪い取ると、 そっと船の中を覗いてみた。
まだ星の中を旅しているのだろうか… 船の中では寄りそって眠っている二人の姿があった。
終わり。
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【受賞のお言葉】 この度は、乙女のスペーストラベル賞をいただきありがとうございます。 星が大好きなラリマー様。なら空飛ぶ船をプレゼントしたら喜ぶんじゃないかと思って今回作ったわけですが… 実はこの企画に応募したあとに、過去見の館で知ったんです。 …ラリマー様が空飛ぶ船に乗って星々の世界に行きたい、ということを(汗)。 ナイスタイミング!じゃなくて思いっきり真似たようでボツになるかと青くなってました(汗汗)。 今回受賞させていただいて、本当に感謝しています。 ちなみに「ラリマーの夢」という切ないイベントです。よろしければそのイベントを見た後に、 この“夢”のウチュウ船を読んでみてください。 『殿下あとで怒るね』か、『殿下ちょっとは救われたね』になるかは皆様にお任せします(笑)。 ではありがとうございました。
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【乙女のスペーストラベル賞】
副賞:恋のロッド & ブルマンブレンド200g 【ご提供: パオコーヒーさま】 ※小田金店長さまから幸せいっぱいのプレゼント! コーヒーの純粋にして高貴な美味しさがたっぷり引き出されたブルマンブレンド。 淹れて幸せ、いただいて幸せ、ごちそうすればさらに幸せ! 丹精こめた極楽コーヒーをお楽しみください!
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◆◆◆彼(ら)は白衣の天使賞◆◆◆
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聖乙女 ノアヴィース さま
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聖乙女特製白衣(+α)セット
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科学者の必須アイテム 「白衣」 デザインはオーソドックスながら、聖乙女の特製で、丈夫で汚れにも強い実用品。 +αはおまけ参照(笑) こちらも勿論聖乙女の特製品ですv
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恋のロッドをプレゼント!
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ある日の研究所にて。 ぺリドット(以下ペリ) 「よう、フローライト。コランダム教授の格好、いつもと違わないか?」 フローライト(以下フロ) 「こないだ聖乙女さまに貰った『白衣』ってのを上に着てるんだよ。 聖乙女さまの世界じゃ科学者が着るものなんだって」 ペリ「ふーん、聖乙女さまからのプレゼントね〜」 フロ「“これは汚れてもいいものだから、 実験のときに研究所服の上に着て下さい”って言ってたよ」 アイオライト(以下アイオ)「エプロンみたいなものか」 ラリマー(以下ラリ)「いいですね。教授にとてもお似合いですし」 フロ「教授も気に入ったみたいで、ずっと着てるんだ」 ペリ「うーーーん」 アイオ「どうした?ペリドット」 ペリ「いや、何か…シルエットは普段とそんなに変わらないのに、 教授がいつもより怪しい…いや、危ない人物に見えるような…」 アイオ・ラリ「「は?」」 フロ「あぁ」 ペリ「小さい刃物とか針とか持たせたらいけない感じがする」 フロ「…俺も何故だかそんな気がしてるんだ… なんだか、いつもよりすごく楽しそうなんだよ…」 ペリ「それだ、その笑顔が恐ろしい」 アイオ「(…それはいつものことだと思うけどなー)」 ↑突っ込み役のアイオライト。 あの服は研究所の制服かな〜と思いまして、フツーの白衣をプレゼントしたいです。 (ときめきのカケラもないし、第一本人まったく出てこないじゃん…)
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おまけ(+α) ↓ アイオ「…フローライト。じゃあロボが着てるピンク色のは何だ?」 フロ「あれも聖乙女さまが着せていったんだけど、『なーす服』っていうもので 白衣とセットになってるんだって」 ペリ「ぷっ!!」 アイオ「そうだったのか…(女物に見えるけど…)」 ラリ「でも、あれは…女物ではないのですか? 聖乙女さまは間違われたのでしょうか??」 アイオ「(ラリマー!?俺があえて言わなかったことを!)」 フロ「いや、多分“助手が着るもの”とか言ってたから… 間違ってるわけじゃないんじゃないかな。 …俺にもくれたんだけど…(汗)」 ペリ「ぶはっ!!!ぎゃーははははは!!!!! フローライト、お前も着てみろよ!! せっかく聖乙女さまが贈ってくれたんだからさ!!」 フロ「………皆の分もあるんだけど」 ペリ・アイオ・ラリ「「「え゛?」」」 お粗末さまでした(汗)
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【受賞のお言葉】 素敵な賞をありがとうございました! ときめきもロマンも欠片もない拙い文章でお恥ずかしい(マジで)ですが、教授に好物の例のアレを プレゼントしまっくてたことがこんな形の愛(一応…?)に消化…じゃなくて昇華したと思うと嬉しい限りです! 白衣を着た教授もカッコイイ(!)のですが、なーす服ロボが可愛い!!表情がなんとも言えず…(笑) こんな駄文に絵まで付けてくださって本当にありがとうございましたー!!
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【彼(ら)は白衣の天使賞】
副賞:恋のロッド & ブルマンブレンド200g 【ご提供: パオコーヒーさま】 ※小田金店長さまから幸せいっぱいのプレゼント! コーヒーの純粋にして高貴な美味しさがたっぷり引き出されたブルマンブレンド。 淹れて幸せ、いただいて幸せ、ごちそうすればさらに幸せ! 丹精こめた極楽コーヒーをお楽しみください!
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◆◆◆乙女のメルティスイート賞◆◆◆
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聖乙女 夕月美夜 さま
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ハートのチョコレート
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乙女の愛がいっぱい詰まった、小さなチョコレート
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星のロッドをプレゼント!
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今回はオルフェ様視点で書いてみました。 不器用だけど優しいオルフェ様に心を込めて贈ります。
連日の缶詰状態からやっと開放された俺は、 休んでいた宵藍亭へやっと顔を出す事が出来た。 多分凄い顔色をしているのだろう。 だが、今まで休んだ穴埋めは多少無理してでもこなしたい。 そんな俺の気持ちを分かってくれている店主の親父は、一言「無理はすんなよ」と 苦笑し、俺の好きなようにさせてくれている。 店が開店して暫くすると、暇なのだろうかラッドがいつもの如く無駄口をたたきに 現れた。 「お疲れ様だな、オルフェ。売れっ子も大変だな、はっはっは!」 「…黙れ」 「おー、怖っ! そーいや、お前。あの子から貰ったか?」 ヤツがニヤニヤしながら俺のわき腹を突付く。 「何の事だ?」 「とぼけるなって。お前、今日が何の日か知らねぇのか?!」 怪訝そうな俺の様子にやっと気付いたヤツが、大げさに肩をすくめため息をついた。 「このところの町の様子をみれば分かるだろうが」 「…ここ数日は一歩も家から出てない」 「…悪かった。今日はな、バ…」 「オルフェ様いらっしゃいますか?」 ヤツの台詞を遮る様に、彼女の声が店に響いた。 久しぶりに見る彼女の姿に俺はとっさに口元に手をあてた。 たぶんこの手の下は確実ににやけているだろう。 「…いらっしゃい」 「これ、貰ってくださいませんか?」 少し照れたように彼女が小さな包みを差し出した。いつもくれる物とは違うようだ。 「これは?」 「えっと、チョコレートです」 「…いや、甘いものは苦手なんだが」 多分疲れていたからだろう、感情がストレートに顔に出てしまったらしい。 彼女は俺の顔を見て少し悲しそうに「ごめんなさい」と呟くと、 俺の手から小さな包みを取り返し、店を飛び出して行ってしまった。 後に残された俺は訳が分からず、ポカーンと出て行ったドアを見つめていた。 「ば、馬鹿だろ、お前!!」 傍で成り行きを見守っていたラッドがいきなり立ち上がり、 俺の胸倉をつかみ怒鳴りつけた。 「何の事だ」 その手を軽く振り払い、睨み付ける。今の俺は最高に機嫌が悪い。 イライラと髪を掻き毟ったラッドは店の片隅に置かれたカレンダーを俺の顔に 突きつけた。 「あー、もう、これを見やがれ!!」 「だから何なんだ。…っ?!」 今日の日付にはピンクのハートマークと小さくバレンタインという文字が 書かれていた。 確か先月だっただろうか? プリステラ姫がいきなりやってきて「乙女が好きな人に思いを伝えるイベント」だと 長時間力説しながら書いていたのを思い出した(遠い目) 「…クソッ!」 「はやく嬢ちゃんの所に行け。店は俺が代わってやるから」 「悪い」 苦笑するマスターとラッドに頭を下げ、彼女の後を追った。 やっと見つけた彼女は町外れの大きな木の下に座り込み俯いていた。 泣いているのだろうか? 俺はそっと後ろから彼女の様子を覗き込み、そして思わず大声を出してしまった。 「ちょっと待て!」 「きゃっ!」 包みを開き、今まさにその可憐な唇に チョコレートを運ぼうとしていた腕を捕まえる。 「ソレは俺のだろ? さっきは悪かった」 彼女の手を持ったまま、チョコレートを俺の口に運ぶ。 ソレはほんのり甘く、優しい味が口の中に溶け広がった。 疲れた体が癒されていく。 「ごめん、悪かった。あー、締め切りが…いや、あの」 「分かってます」 彼女は俺の言いたい事を察してくれたのだろう。 「旨かった、有難う。…ホワイトデーは期待しててくれ(ボソッ)」 「はい、待ってます」 照れ青空を見上げた俺の背中に彼女の優しい笑い声が響いた。 P.S. 暫く帰ってこないオルフェの代わりにラッドは思う存分こき使われていたらしい。
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◆◆◆乙女の小さいけれど 大きな愛がつまってるで賞◆◆◆
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聖乙女 リュウエン 藍珠 さま
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小さな傘
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配達したり、旅するときに雨が降っても大丈夫な傘♪
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星のロッドをプレゼント!
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いつもお世話になっている小さい人たちへのプレゼントです。 本当は、チョコのお返しにクッキーをあげたいのです。 できれば期間限定でクッキーをあげる日!があるといいのですが・・・。 「ネタバレ開始?→]ジンジャークッキーが大好きでジェムスで1回だけ? あげることができるのと 重なってしまうような気がしますから。[←終了] なので、旅に出たり、配達のお仕事する時の「カバン」か何かを!ということで、 雨が降ったときの「カサ」がいいのではないかと考えてみました。 シチュエーションは、 「あげなくてもいいんじゃない?」 などと冷たく言う妖精さんの助言?を聞き流しプレゼントします。 「大きい○○たち♪、小さい人たちにプレゼントくれるのか?ありがとう♪」と 小さい人たちがわ〜い♪わ〜い♪と喜んで受け取ってくれます。 嬉しさのあまり周囲をかけまわる小さい人たち、 横の木にゴチッとぶつかって倒れます。 (池にバシャッと落ちるかも) 「もう!大丈夫じゃないんじゃないの?いい!失くすんじゃないの、わかった!?」 と妖精さんに冷たく言われます。 「小さい人たち、絶対になくさない!」 と可愛く誓ってくれます。 お返しはなくてもいいのです。 いつもでなくていいのです。 小さい人たちへ、是非ぜひプレゼントしたいです
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