2008年9月20日(土曜日)
Story of flail
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フレイル53期(無月)
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「みなが笑いあえる、明るい未来を」 チャタムおろしの寒風吹くなか、オオジュリン姫つぶやく願いの言葉が届いたか、半身を流れる闇の血に苦悩していたアルバは笑顔を取り戻していた。 多くの人々が、ゆく年を想い、来る年が明るくあることを祈っていた。 しかし、霧の都の冬空よりも重暗く、沈みゆく心もつ者は… 長子レイヴンの事件を一切不問とする御嫡姫の決断を伝えられたダイゼン将軍は、心労で倒れた形となり、アトリ王子が求めた“見返り”を誓うことからのがれた。 マゴメル伯爵家オオルリ姫に届いた銀の小箱。鬱々と暮らすブーボ卿は、愛娘に示された“女王のしるし”に、おのが輝かしい未来を夢想する。小箱にひそむマゴメルの賢者の新年の年占は、王都に、そしてこの国に、いったい、何をもたらすか?
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Story of flail
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フレイル52期
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魔物うごめく聖鈴街道。呼びさまされる己が半身の血のざわめきを感じながら、アルバはノスリとともに、秘薬ねむる聖鈴教会をめざしていた。親しき友とあたたかき心もつキンケイびとを思い、その存在に勇気づけられ、アルバは倒れたノスリをかばいつつ魔物たちと戦う。聖鈴司祭が残した魂が、青年たちの窮地を救い、オオジュリン姫の命を救う薬種が王宮にもたらされた。 必死の看病に徹した忠臣たちが安堵し、姫のもとを離れた三日月夜、姫の寝所に現れたは、将軍家長子レイヴン。ロビンとアーレント、バットが、めざめたばかりのオオジュリン姫を護ろうとするが、妖刀“闇星”を振るレイヴンにはかなわず。姫の命あわやの瞬間、駆けつけたチョウゲンボウ大師によって、救われるのだった。
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Story of flail
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フレイル51期
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御嫡姫オオジュリンの誕生日を祝う園遊会は、盛会に終わった。と、国王夫妻、招かれた貴族、城下の人々、誰もがそう思っていた。ヤタ御陵苑で何が起きたか真実を知っているであろう伯父ダイゼンに、みごとな采配とほめたたえられ、心身とも疲労のきわみにあるアトリ王子は血色を失う。 王都を護る聖なる力は、王宮にまで妖姫の侵入を許すほど弱まっていた。なおかつ、泥姫が残した闇の穢れにふれたオオジュリンは、背の傷が激しく痛みだし、昏倒してしまう。 そして、泥姫がアルバに告げた、記憶を失う以前の出自の事実。「バケモノにも、ヒトにもなれぬ、どっちつかずのはんぱ者めが…」己が父親は、闇の者。その言葉は、アルバの心を深い悲しみにつき落していた。 夜の城下では、妖剣“闇星”の妖力で無明の闇へといざなわれるレイヴンを、弟ロビンが追いすがり、からくも引き戻した頃、チョウゲンボウとレチュサは、姫の命を救う薬を必死にさがし求めるが、いっこうに目途が立たない。 そんなとき、聖乙女の祝福を受けたテッケイは、幼い頃の記憶を呼び覚まされる。
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Story of St.Gems
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セイント・ジェムス53期(無月)
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夕暮れの丘の上、王都をおとずれたクリプトメレーン侯爵ネフェリーンは、聖乙女降臨の年さいごの日没をながめていた。セレスタインと短く言葉を交わし、ペリドットと過ごした夏祭りの1日を思い出す。 そして、北の国に無月の夜がおとずれ、夜空には、いくつもの流星が美しく走りはじめる。 王都にいる末っ子フローライトの帰りを待ちわび、オーピメント農場の一家がほほえみあった頃、聖湖のほとりでは、もう、二度と会えない少女を想い、涙を流すモルダバイトがいた。 研究院の裏庭では、ラリマーが、友に助けられた1年をふりかえり、「誰かを助けられる人間になりたい」と、親友ペリドットに語っていた。夜もふけた頃、ペリドットは、丘へと足を運び、そして、ネフェリーンの幸せを流星に祈る。 新しい1年を迎えるため、カーネリアン教会をみがきあげた娘たちは、夜空を見上げ歓声をあげる。 人々は、この国に住む人間の暮らしを滅ぼそうとする亜人シーア族の刃が迫っていることを知らずにいる。 トパーズ司祭は、心に誓う。この人々を、そして、この国を、闇の魔手から護ると。
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Story of St.Gems
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セイント・ジェムス52期
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領主の息子としての勤めを自覚しながらも、王都を離れられない想いをうまく母に伝えられないラブラドライト。だが、まぼろしの花セラフィリアに花を咲かせようと努力する息子の姿を見て、クリソコーラは心を変え、王都滞在を許すのだった。 その頃、黄昏の館では、インカローズが悪夢にうなされていた。国のため、妻シトリンを奪い去られた日。侯爵の胸には、その日から消えない炎が燃え続けていたが、彼の命はつきようとしていた。 侯爵が闇への贄として使えなくなる前に、シーア族の聖地の入り口をなんとしても見出したい。ブルーレースは奉公人たちを館から人払いして、兄ダイオプティーズとともに館を調べまわるが… 一方、王都に買い物に出されたアメトリンは迷子になって行き倒れ、研究院にかつぎこまれる。アレキサンドラ教授は、彼女が黄昏の館の奉公人であることを聞き、心をこめて世話をするのだった。 王宮では、アンバー王女の前でエンジェライトが不思議な言葉を語りだしていた。喜びも哀しみも、すべては、運命の導きのままに…千年の悲しみは癒されるだろうと。
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Story of St.Gems
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セイント・ジェムス51期
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王宮の塔の中、エンジェライトは語る。愛の力で祈るとき、人は女神とつながることができる、と。しかし、おのれのたくらみの結果を恐れる者は、祈りに似た行為をするとも言う。 恐れから逃れようとする者は……心の中で、何の名を呼び、何とつながろうとするのだろうか。養母カーネリアン大司祭の墓前、トパーズは、人の悪しき心が変わらぬことにうなだれる。 トパーズ司祭をおとしいれようとたくらまれた卑劣な企て。タンザナイトの捜査は、不穏な噂を吹聴した男たちのひとりは命を落とし、もうひとりは正気を失ったことで、手詰まりとなった。それを知り、黒幕であるブロシャン司祭は、己れに女神の庇護ありと感謝する。しかし、そのかたわらの闇の中、笑みもらすものは、光の存在ではあるべきもなく。 その頃、アポフィライト邸には、家出息子を領地へ連れ戻そうと、テクタイト領主クリソコーラが乗り込んだ。
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Story of Shamrock
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シャムロック53期(無月)
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短い休暇をすごし、港町コリアンダーからリンデンに戻ろうとする学生たち。 亡き母の妄執とも言える夢を見たプラタナスは、少しずつ異常を見せていた。弟フロックスの一挙手一投足にいらだちがつのり、ディッフェンバキア邸出発直前のトラブルで遅れてきた弟をきびしく叱責してしまう。 プラタナスの不穏な言動にとまどいながらも、リンデンに帰着した一行。そこへ、出発時の遅刻の原因となったハクサイに付き添われ、フロックスがプラタナスに謝罪に現れる。真実の弁護を、プラタナスに「くだらぬ言い訳」と決めつけられ激怒したハクサイは、興奮して壮絶なくしゃみをする。 突風となったくしゃみに吹き飛ばされ、プラタナスが川に落とした母の形見の絵を追い、ユークレース川の流れに飛び込んだフロックス。弟のおこないに、プラタナスの怒りは、わずかながら静まったように見えたが…
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Story of Shamrock
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シャムロック52期
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短い冬休み。港町コリアンダーには、実家に帰省するジニアとエルダーには、にぎやかな学友たちが同行していた。 なにごとも張り合うジニアとエルダーの両実家は、別々に年越しパーティーを盛大に催そうとする。しかし、招待客に女性がいないと、デッフェンバキア商会では、フロックスが女装させられることに。みんながパーティーを楽しめる妙案はないものか。ジニアに頼まれたモナルダが、カサブランカとディッフェンバキアを説得、『女神の首飾り亭』で両家の合同パーティーを開催することとなった。学生たちは聖乙女をまじえ、楽しいひとときを過ごすのだった。 王宮で女王主催の年越しの宴が催される頃、王都に残ったオーキッドとカモミールが、聖堂の鐘を聴きながら、静かに年を越そうとしていた。 そして、コリアンダーでは、事件が起きる。父カサブランカの目前で、ジニアは突然、気を失って倒れてしまったのだ。ジニアは夢を見た。炎の獅子を名乗る風追いが、友への償いのため、風追い稼業を捨てようとしている夢を。
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Story of Shamrock
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シャムロック51期
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ユグドラシル学院では全校生徒が集められ、紛失した重要書籍が発見されたことが報告された。学生たちを、わが子のように見守り育ててきたマザーワート学院長は、書籍の捜索中、学友に対する誹謗中傷と流言飛語があったことを学生たちに戒めた。 あらためて学院長室に呼び出されたトゥルムは、フェンネルを犯人扱いしたことを詫びるが、心の中のねたみと憎しみは消えることなく、くすぶり続けているようである。 落ち着きを取り戻した学生寮では、プラタナスの誕生会が開かれる。親友ジニアの心づかいに、病弱だった実母のこと、フロックスの生母である義母のこと、とつとつと語るプラタナスの言葉に、ジニアは耳を傾けるのだった。 その頃、コリアンダー総督府には、沈没盗賊船がフーシア沖で発見されたとの報が入る。
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Story of Grail
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グレイル53期(無月)
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武闘大会の優勝賞品となった雫形の石は、はたして、ちりぢりとなった聖杯のかけら、雫石のひとつであった。聖杯の巫女ラミアの鑑定に、プリステラたちは1年の努力の成果を喜びあう。取り戻された雫石は8つ、残るは5つ。失われたこの国の至宝は、かならずまた集まると、プリステラは弟を、そして自分をも励ますように明るく笑うのだった。 近衛隊を休職しフレイルへの旅から帰国したブロキスは、ようやく国王夫妻に謁見し、メルルーサ妃の冷たい言葉を受けた頃、奥宮では、デルモゲニスのもとをコリドラス前公フォウレリーがたずね、次の国主の座を息子ダニオに引き寄せようとするメルルーサの望みを阻むため、密談を交わしていた。 一方、下町のパン屋「東雲」では、ラッドの父がまたもや腰をいため、ポポンデッタにオルフェ、聖乙女までが手伝いに借り出される。 花の都の下町はにぎやかに暮れてゆこうとしていた。
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