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2008年9月20日(土曜日)

フレイル53期(無月)

カテゴリー: - admin @ 14時32分30秒

Story of flail

フレイル53期(無月)

 「みなが笑いあえる、明るい未来を」
 チャタムおろしの寒風吹くなか、オオジュリン姫つぶやく願いの言葉が届いたか、半身を流れる闇の血に苦悩していたアルバは笑顔を取り戻していた。
多くの人々が、ゆく年を想い、来る年が明るくあることを祈っていた。
 しかし、霧の都の冬空よりも重暗く、沈みゆく心もつ者は…
 長子レイヴンの事件を一切不問とする御嫡姫の決断を伝えられたダイゼン将軍は、心労で倒れた形となり、アトリ王子が求めた“見返り”を誓うことからのがれた。
 マゴメル伯爵家オオルリ姫に届いた銀の小箱。鬱々と暮らすブーボ卿は、愛娘に示された“女王のしるし”に、おのが輝かしい未来を夢想する。小箱にひそむマゴメルの賢者の新年の年占は、王都に、そしてこの国に、いったい、何をもたらすか?

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フレイル52期

カテゴリー: - admin @ 14時31分46秒

Story of flail

フレイル52期

 魔物うごめく聖鈴街道。呼びさまされる己が半身の血のざわめきを感じながら、アルバはノスリとともに、秘薬ねむる聖鈴教会をめざしていた。親しき友とあたたかき心もつキンケイびとを思い、その存在に勇気づけられ、アルバは倒れたノスリをかばいつつ魔物たちと戦う。聖鈴司祭が残した魂が、青年たちの窮地を救い、オオジュリン姫の命を救う薬種が王宮にもたらされた。
 必死の看病に徹した忠臣たちが安堵し、姫のもとを離れた三日月夜、姫の寝所に現れたは、将軍家長子レイヴン。ロビンとアーレント、バットが、めざめたばかりのオオジュリン姫を護ろうとするが、妖刀“闇星”を振るレイヴンにはかなわず。姫の命あわやの瞬間、駆けつけたチョウゲンボウ大師によって、救われるのだった。

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フレイル51期

カテゴリー: - admin @ 14時31分10秒

Story of flail

フレイル51期

 御嫡姫オオジュリンの誕生日を祝う園遊会は、盛会に終わった。と、国王夫妻、招かれた貴族、城下の人々、誰もがそう思っていた。ヤタ御陵苑で何が起きたか真実を知っているであろう伯父ダイゼンに、みごとな采配とほめたたえられ、心身とも疲労のきわみにあるアトリ王子は血色を失う。
 王都を護る聖なる力は、王宮にまで妖姫の侵入を許すほど弱まっていた。なおかつ、泥姫が残した闇の穢れにふれたオオジュリンは、背の傷が激しく痛みだし、昏倒してしまう。
 そして、泥姫がアルバに告げた、記憶を失う以前の出自の事実。「バケモノにも、ヒトにもなれぬ、どっちつかずのはんぱ者めが…」己が父親は、闇の者。その言葉は、アルバの心を深い悲しみにつき落していた。
 夜の城下では、妖剣“闇星”の妖力で無明の闇へといざなわれるレイヴンを、弟ロビンが追いすがり、からくも引き戻した頃、チョウゲンボウとレチュサは、姫の命を救う薬を必死にさがし求めるが、いっこうに目途が立たない。
 そんなとき、聖乙女の祝福を受けたテッケイは、幼い頃の記憶を呼び覚まされる。

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2007年12月12日(水曜日)

フレイル50期

カテゴリー: - admin @ 16時12分09秒

Story of flail

フレイル50期

 5年前。闇空より白雪舞う、凍てついた、この場所、ヤタ御陵で。
そして、今、聖乙女降臨の年、13の月、13日。オオジュリン姫は、師父6代目ウトウヤスカタと対峙していた。
 師父の手には、あの日と同じく、まがまがしき闇の力放つ大妖刀“暁闇(あかつきやみ)”。5年の年月を経て成長した姫の手には、あの日にはなかった、護国の神剣“告天子(こうてんし)”があった。
 「あなたの言葉が聞きたい」と叫んだ姫の心は激しく揺れる。5年前、なんの前ぶれもなく、唐突に、師は愛弟子である姫の命を奪おうとした。怒り、哀しみ、絶望。姫の心の底から噴き出した暗い想いが、闇の気を呼び、神武具を持つロビンとノスリの加勢を阻む。聖乙女たちが祈り、ようやく姫の心にチョウゲンボウ大師の言葉が届く。
 師父の迷える魂を救わんと、振りおろされた“告天子”。しかし、すでにそこにウトウヤスカタの姿はなく…
 オオジュリン姫、19歳の誕生日。キンケイには姫が心の中ひそかに流す涙のごとく、冬の雨が降り注ぐのであった。

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フレイル49期

カテゴリー: - admin @ 16時11分54秒

Story of flail

フレイル49期

 『始祖ヤタ女王に剣舞を奉納なさいませ』
リデル大母神のお告げとして、将軍夫人モタキッラは、オオジュリン姫に神剣剣舞を進言する。快諾するオオジュリン姫。代々の女王が眠るヤタ御陵は、5年前、王家剣術指南役6代目ウトウヤスカタが、弟子であるオオジュリン姫暗殺を果たすことあたわず、姿を消した場所である。警戒を強めるレンカクに、姫は「5年、待った」と言い放つ。
 城下では、奇跡呼ぶ神剣剣舞の催行を人々が喜んでいた。町方カッチは、園遊会に列席できるツバメを心底うらやましがり、ツバメも聖乙女をエスコートする約束にかなり浮かれ気味。真実を知る数少ない者のひとり、バン・トウネンは、渋い顔をしつつも、若者たちの力に国の命運をまかせるときが来たと感じるのだった。
 王都キンケイへ。
 園遊会の招待客だけでなく、さまざまな人、さまざまなものが流れ込んでいた。恩赦を受け、サザキが。チリーを追われた、タゲリが。そして、オオルリ姫の元には、マゴメル山の賢者より銀の小箱が届けられていた。

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2007年10月16日(火曜日)

フレイル48期

カテゴリー: - admin @ 10時38分41秒

Story of flail

フレイル48期

 水の妖姫にとらわれたパシクルは、闇の力がさら増すよう鍛え上げられ、霧姫は、祝いの品をたずさえ、園遊会に参じようとダイゼン将軍に約する。
 闇のうごめきを人は知らず。アビは静かな心で息子テッケイに語りかけていた。聖乙女さまが降臨しているこの時だからこそ、また、オオジュリン姫と宿縁あるパシクルであるからこそ。自分は希望を捨てないと。
 パシクルの妖気に呼応して獣化したアルバの身を案じるバンとレチュサは、見守り続けようと誓いあう。闇の力を血に潜めるとも、どうか闇へと傾くなかれと女神に祈る。
 そして、大食い大王イカルはめでたく退院。キンケイの友人たちに、にぎやかに見送られ、静養のため、故郷オーストンに向けて出立した。
 時を同じくして王宮では、精進潔斎が満願の日を迎え、オオジュリン姫が日輪のごとき姿を人々の前に現した。聖乙女が王宮を訪うと、初対面であるはずの姫は、聖乙女をかねてからの知己のように歓迎する。国王と王妃と弟王子、忠臣たちに囲まれ、楽しくおだやかな日々を過ごす姫。
 ところが、ある夜、妖刀匠アクイラの霊が王宮上空に現われ、大妖刀“暁闇”の異変を知らせる。そはすなわち、“暁闇”の使い手、師父パシクルの異変。5年の間、師父をさがし求めてきた、姫の心はかき乱れる!

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フレイル47期

カテゴリー: - admin @ 10時38分22秒

Story of flail

フレイル47期

 イカルの命を救う秘薬が、チョウゲンボウの手によって調合されていた。原料の貴重な薬草がカビて使えず、ノスリは採取する役を買って出る。雪山に分け入ったノスリは、雪崩にまきこまれ遭難。虫の知らせか、聖乙女の祈りが通じたか、謎の人物が駆けつけ、ノスリを雪の中から助け出したのだった。無事、新薬はできあがり、人々が見守る中、イカルは目覚めた。
 こちらもひさびさに意識を取り戻したアビ。彼女の真の願いをかなえるため、ふたたび、テッケイたちはセイランの泉へ向かう。
 アクイラに憑依されたパシクルはただならぬ妖気を放っていた。闇の気に呼応し、獣化したアルバは、パシクルと激突。アビの必死の叫びにバンが動き、一瞬、パシクルの正気は戻った。だが、怒気が凪いだパシクルは、その隙を待ちかまえていた水姫にとらえられてしまう。

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フレイル46期

カテゴリー: - admin @ 10時38分02秒

Story of flail

フレイル46期

 たいせつな、かけがえのない人の命が、今にも尽きようとしている。
妖刀の毒に倒れたイカルの回復を祈る人々は、女神に祈りながら、良策を模索し、励ましあい、支えあっていた。一方、祈ることをあきらめたレイヴンは、水の妖姫と取引して得た薬草をアーレントに飲ませてしまう。なにごともなかったかのようにアーレントは回復し、オオジュリン姫の肖像画複製を再開。ロビンは、「奇跡が起きた」と疑わず、女神に感謝するのだった。
 そして、テッケイは、父へのわだかまりを捨て、母の最期の願いをかなえようと決心。心を決めたとき、女神が道をさし示された。レチュサが世話する山に隠棲する老人が、その人ではないかとトビが申し出たのだった。
 テッケイは、アルバとバン・トウネンと共に、王都の南、山中にあるセイランの泉に向かう。はたして現われたのは、テッケイの父、バン・トウネンの幼なじみ、パシクル、その人の変わり果てた姿だった。バンが必死にパシクルの正気をよびさまそうとすると、虚空から突如出現した妖刀匠アクイラの死霊が襲いかかり、その姿はかき消えてしまった。
 パシクルが見つかった。その報せに、アビは意識を取り戻す。

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2007年5月12日(土曜日)

フレイル45期

カテゴリー: - admin @ 10時42分56秒

Story of flail

フレイル45期

 聖武具の気配を求め、妖刀匠アクイラの亡霊は王都をさまよい続ける。
レンカク邸には“叢雲”、ダイゼン将軍末子ロビンが得た“姫七宝”、
ギンガ本山のノスリ師範の手には“山翡翠”……
聖武具たちはしかるべき結界に守られ、邪霊の接近をゆるさない。
 クシナの聖武具が光ならば、アクイラが生み出した13振の妖刀は闇。
そのひとつ、封印された妖刀“闇星”を盗み出すため、レイヴンは聖乙女の制止をふりきり、王宮地下へと向かう。弟アーレントの命を救う最後の望み、闇の薬草を妖姫から得るために……
 母アビがいよいよ危篤となり、テッケイは悩みぬいた末、6代目ウトウヤスカタの居場所がわかったら教えてくれとイカルに頼み込んでいた。“闇星”の封印がレイヴンによって解かれたのは、そのときだった。はなたれた闇の波動を受け、イカルは背の傷に激痛をおぼえ倒れ伏す。

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フレイル44期

カテゴリー: - admin @ 10時42分28秒

Story of flail

フレイル44期

 忘れようとしても忘れられぬ、まなうらに残る母の傷ついた姿。苦しむアルバに、過去にしばられず、今あるしあわせとともに生きてゆけと、レンカクが諭した頃、将軍邸ではアーレントがとうとう瀕死の状態におちいる。
 アーレントの見る夢は、母アイローネの最後の姿。「将軍家のお役に立つよう、生きてゆくのですよ」 豊穣の国シャムロックで生まれ、フレイル王家に待望の若姫をもたらすはずだったアイローネ。その死の秘密を知るレイヴンは、苦渋のおももちで死の床に伏すアーレントを見守る。
 冬を迎え、チャタムの峰から都にかけくだる山おろし。
吹きすさぶ風の中、聖武具たちのきよき波動を感じ、妖刀匠アクイラの亡霊が、今日もさまよう。女神に通じる舞を舞う太夫ジュウシマツは、アクイラが残した闇の気にふれ、倒れたところを大食い大王イカルに助けられる。抱き上げられ教会に運ばれたジュウシマツは、イカルの秘密に気づくこととなる。

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